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「たかとりコンサルティング事務所」は、経営コンサルティングを通じて、中小企業の皆様を応援いたします。

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コラム1COLUMN1

ふくおか中小企業診断士会報No.6 平成18年10月10日発行 から転載したものです。
【新人紹介】            おくれてきた新人診断士       中小企業診断士 鷹取正義
 はじめまして。本年4月に中小企業診断士として登録されました鷹取正義、遅咲きの62歳です。
会報への投稿を、今までを振り返り、今後を考える機会にさせて頂きました。

1.今まで
 私は、1943年に直方で生まれました。小倉工業高校電気科を卒業し、1962年に18歳で鉄鋼メーカーに就職し約33年間働きましたが、そのうちのほとんどの約29年間はIE(Industrial Engineering)部門に所属しておりました。電気屋として仕事をしたのは、最初の2年間だけでしたが、事故を未然に防いだことなどが想い出になっております。入社して2年目のある日、たまたま変電所に遊びに行き、そこで断路器(DS)の取替工事に遭遇しました。検電器が光っているのに断路器をアース落とそうとしておりました。私は、配電盤の表示を一目見た瞬間、普段とは逆に変電室(下流)から変電所(上流)へ11KVの電圧が逆送されているのに気づき、変電所からの遠隔操作で変電室の遮断器(OCB)を開にさせ、間一髪で重大事故を防止すことができました。電気工学や自動制御、コンピュータなどを勉強し、技術屋の世界で生きていくことを望んでいましたが、その後、22歳のときにIE部門に配属されました。電気屋からIE屋(IEr)への変身でした。IE部門に配属された当初は、先輩のお手伝いで、現場観測やデータ整理ばかりです。肩に痛み止めの注射をして、約16時間も連続して現場観測をやったことも今では懐かしく思います。IE配属3年目の25歳のときに大きな成果をあげることができ、IE屋として生きていく決心をしました。それは、高級鋼増産プロジェクトでした。高級鋼を増産すれば、普通鋼との限界利益の差で約1百万円/生産単位の収益向上が可能なことに着眼し、550生産単位/月(現状+200生産単位/月)への高級鋼増産にチャレンジするように工場長に提案いたしました。工場長は500生産単位/月を目標に活動するので、私に工場に駐在してくれと要請しました。私は、承知しました。工場の操業をFORTRANでモデル化してコンピュータ・シミュレーションによる仮説・検証を行い、高級鋼の増産が可能なことに十分自信がありました。あとは、関係者が協力してシミュレーションの考え方、前提条件に現実をいかに近づけるかでした。専任は私だけで、あとは兼任(ある意味で本来業務)のプロジェクトをつくりました。工場だけでなく、技術、品質管理、生産管理、輸送など関連部門の協力も必要でした。現場に顔が効く強面のIEの先輩もメンバーに入り、色々と助けてくれました。私の役割は、増産の意義、方法を判ってもらい、関係者の利害を調整し、日々、協力してもらうことでした。毎月毎月、高級鋼の生産新記録を塗り替えながら、半年後には遂に553生産単位/月を達成し、約24億円/年の収益向上に寄与することが出来ました。コンピュータ・シミュレーションはよく使う手法でした。FORTRANからGPSS(汎用シミュレーション言語)に変えて、モデル化が少し楽になりました。工場の新設、廃止、改造等の設備投資(予算要求)や実操業の改善など、色々な機会にシミュレーションを活用しました。コンピュータに対する興味も高まり、工場内のプロセスコントロール・システムや工場間のオンライン生産管理システムの実現にも取り組みました。高度成長時代は、工場新設、増産などのテーマが多かったのですが、安定成長時代では、生産性向上が重要課題となり、直営・外注とも要員合理化のテーマが多くなりました。現場を1週間で通り診断して、約30%の合理化案を提案し、それらが中期計画の案件に盛り込まれたり、合理化実行プロジェクトのメンバーとして参加したりしました。「鬼のタカトリ」、「夜の黒崎は歩けない」、「洞海湾に死体が浮くかも」とか冗談めかして言われたりしましたが、合理化に協力して頂いた多くの関係者に感謝あるのみです。その後、51歳になりITベンダーに転籍し、約8年間、システム・コンサルティングや基本計画・基本設計、基幹系システム再構築プロジェクト・リーダーなどを経験いたしました。
長いサラリーマン生活を通じて、「会社とは、カネをくれて勉強させてくれる所」、「現場をよく見る、事実を正しく把握・判断する、往復思考で現状を打破する」など多くのことを学びました。
2.今後
 本年4月に、たかとりコンサルティング事務所(個人事業)を開設し、無職・素老人(すろうにん)から脱皮して経営コンサルタントの道を歩もうとしています。洞海湾周辺に多くの中小製造業が存在しているという機会を捉え、IE部門で約29年間、IT業界で約8年間の経験を積んでいるという強みを活かして、中小企業の経営改善を支援し、社会に貢献したいと存じます。中小企業支援機関等の関係先の皆様や先輩診断士の皆様の温かいご指導・ご鞭撻の程を切にお願い申し上げる次第です。
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