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コラム2COLUMN2

ふくおか中小企業診断士会報No.9 平成20年4月10日発行 から転載したものです。
【寄稿】
                診断・助言の基本について考える
                                 中小企業診断士
                                                   鷹取正義

1.はじめに
 支援機関のご紹介でクライアント企業を訪問したとき、社長に「経営のことは、よく判らない。お任せします。たかとり流でやって下さい」と言われました。私は「は、はい。よろしくお願い致します」と答えるのが精いっぱいでした。このような経験も踏まえて、今回は、「診断・助言の基本について」、私なりに考えてみたいと存じます。
2.事実を正しく把握
 クライアント企業の経営課題を明確にして、その企業に合致した解決策を提案するためには、「事実を正しく把握する」ことが出発点と、私は考えている。「新入社員が来たと思って何でも教えて下さい」とお願いしたところ、社長が「何でも聞いて下さい。私の悪口も含めて何でも」と言って、従業員の方々にもそう指示して頂き、スムーズにヒアリング調査を進めることができた。社内外の既存資料やインターネットからの情報も活用し、「事実を正しく把握する」ことに努めた次第である。
3.往復思考で現状打破
 「事実を正しく把握する」、「経営課題を明確にする」、さらに「解決策にまで結びつける」には、往復思考で現状を打破しなければならない。右脳と左脳の両面から考えて、「大いに悩もう!そして結論を出そう!」ということである。ある一定の方向のみから光をあてても本当の姿や答えは見えない。反対の方向からも光をあてることで、より正しく見えてくる。これを意識的にやる必要がある。「経営戦略シート」と「業務の問題点・改善方向シート」を社長以下、ほぼ全従業員の方々に配布して、各自記入して頂き、議論させて頂いたが、これは、従業員の方々が経営者として、また一従業員として両面から考える機会となり、「みんなで会社を良くしていこう」という動機づけ、意識改革にもつながったと思う。現状を打破する方法としては、ブレーン・ストーミングも有効である。これは、集団で行う往復思考であると解釈している。
4.クライアント企業と共に成長
 「事実を正しく把握する」、「往復思考で現状打破」の2点に留意しつつ、報告書を作成したが、
クライアント企業の経営者や従業員の方々のお話をまとめているうちに、自然と答えが見えてきたというのが実感である。クライアント企業との共同作業が成果を決める。誰とでも素直に接し、その人の良い点を学びながら共同作業を進めていくことが肝要である。また社長、従業員の方々から感謝され、やりがい、喜び、感謝の念が湧きあがってきた。中小企業診断士になってよかったと思う。支援機関や先輩診断士の方々の温かいご指導・ご鞭撻があったことにも感謝したい。「一生勉強、生涯青年」の気概をもちつつ、クライアント企業と力を合わせて、共に成長し、明るい未来を創造したいと切に願うものである。
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